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第17回 cross-tools for REDHAT9

海老原祐太郎
2004/1/3

CAT709 は SH3 CPUを採用していますので、SH3用のクロスコンパイル環境が必要になります。
取扱説明書、及び付属のCDROMは、開発用パソコンとして Debian GNU/Linux 3.0 (Woody)を奨励していますが、
REDHAT9でも開発環境を構築することが容易にできます。
本章ではREDHAT9での開発環境の構築方法について述べます。

基本的には取扱説明書の第3章「開発環境の構築」の手順と同じです。
文中にDebianパッケージ .deb で説明しているところを .rpm に読み替えてください。

開発ツールのrpmパッケージは以下のURLから取得できます。
ダウンロードしてください。

https://www.si-linux.co.jp/pub/cat709-cdrom/files/cross-tool/rpm/

準備

前もって以下のコマンド・機能が使えるようにしておきます。
gcc,make,cvs,ftp,telnet,nfs サーバ,network 接続(LAN、インターネット), pcmcia-cs (CompactFlash のマウント)等

ディレクトリ構成

/usr/sh3-linux がクロス開発ツールのベースディレクトリになります。
/usr/sh3-linux/bin クロスコンパイルツールがインストールされる
/usr/sh3-linux/lib クロスのライブラリ
/usr/sh3-linux/include クロスライブラリのヘッダー
になります。以下のパッケージを順にインストールします。
クロスアセンブラ・リンカ
binutils-sh3-linux_0.dodes.20011207-1_i386.deb
クロスコンパイラ
gcc-sh3-linux_3.0.3-dodes.2_i386.deb
デバッガ
gdb-sh-linux_0.dodes.20011205-1_i386.deb

クロスコンパイラのインストール

# rpm -i binutils-sh3-linux_0.dodes.20011207-2.i386.rpm
# rpm -i gcc-sh3-linux_3.0.3-1.i386.rpm
# rpm -i gdb-sh-linux-0.dodes.20011205-2.i386.rpm

以上によりsh3-linux-gcc, sh3-linux-as 等のクロス開発ツールが使用可能になります。
【重要】この段階ではSuperH 用の標準C ライブラリー(printf()等)がインストールされ ていませんので、
一般的なユーザーランドで動作するソフトウェアの開発はできません。

Cライブラリ ーを使用しない、カーネル、ブートローダ、組み込みソフト等のコンパイルは問題なく行えます。
Cライブラリは次節でインストールします。

SH3用Cライブラリのインストール

一般的なC言語のプログラムをコンパイルするためにはクロス用のCライブラリを
インストールする必要があります。
本節では開発環境の方にもSH3 用のC ライブラリをインストールします。

# rpm -i libc6-sh3-cross-2.2.4-8.noarch.rpm
# rpm -i libc6-dev-sh3-cross-2.2.4-8.noarch.rpm
# rpm -i libgcc1-sh3-cross-3.0.4-8.noarch.rpm
# rpm -i zlib1g-sh3-cross-1.1.4-4.noarch.rpm
# rpm -i zlib1g-dev-sh3-cross-1.1.4-4.noarch.rpm

上記により基本C ライブラリのインストールができました。